東北、それは様々な民話の眠る場所…(挨拶
非安価系やる夫スレ作品で、女神転生シリーズが原作。メガテン作品は東京が舞台になることが多いが、本作は遠野物語をを下敷きに東北地方が舞台となる。
岩手県遠野市。県の内陸部南東に位置する人口3万人足らずの小さな都市だ。
この都市は作家の柳田國男が書いた「遠野物語」というこの地方に伝わる民話・伝承を纏めた本によって「民話の里」として一躍有名になった都市でもある。
が、住んでいる人間にとっては何もないただの田舎町。
自称不良少年のキル夫はそう考えていた。ゲーセンもカラオケもマックもない。商店街はシャッターだらけで本当に退屈で息が詰まりそうになる。
いつか誰か、このつまらねぇ田舎町を吹き飛ばしてくれないだろうか。そんな益体もない望みを胸に抱きながら過ごしていたある日のこと。
この日は学校の課外活動があった。行先は遠野伝承園でキル夫からすれば子供の頃から何回も行っている新しさの欠片もない場所である。
いつもつるんでいるギャル夫とギャラナイ夫はサボる予定だが、普段サボりすぎて単位のヤバいキル夫は課外活動に出ざるをえなかった。
課外活動当日、学校から出るバスに乗ったキル夫は到着まで寝たふりでもするか、などと考えていたが後ろの席のクラスメイトが話していたスマートフォンアプリ「悪魔召喚プログラム」の話が妙に気になって胡散臭いとは思いつつもついついダウンロードしてしまう。
ダウンロードには時間がかかりそうだったのでアプリのことは一旦置いておき、到着したバスから降りて伝承園を見学することに。
といってもやはり目新しいものはなく、つまらないと思いながら裏手のベンチでサボっていると、先程のアプリのダウンロードが終わっていることに気がついた。
試しに起動してみると、アプリの中にゴエティと名乗るナビゲーターが現れた。
ゴエティ曰くこのアプリは本当に悪魔を召喚するためのものであり、遠野物語の妖怪なども纏めて「悪魔」と呼ばれる存在だという。
そんなばかな、とゴエティの話を否定するキル夫だったが、その瞬間伝承園に悲鳴が響き渡るのだった…
自称不良少年、とは言うものの老人の荷物を持ってあげたり、財布を落として困っている子供の助けになったり、迷子になっている人を案内したりと普通にツッパってるだけの好人物である。
さて、本作で登場する悪魔はいつものメガテンとは毛色が違い経立やあさどり、悪路王など東北地方に伝わる伝承に登場する妖怪が中心となっている。
そのため割とマイナー気味なのだが、これらの妖怪に関しては作者が番外編という形で妖怪の紹介だけでなく、伝承園などの舞台となった場所の解説もしてくれるのでウィキペディアを読むよりも遠野市に詳しくなれるかもしれない。
キル夫は伝承園での出来事をきっかけにして悪魔の存在を知り、遠野近郊の悪魔の纏め役をしている悪路王から悪魔について学んでいくことになる。
悪魔のことなんてロクに知らない上に頭もいいわけじゃないキル夫だが、番長を名乗る意地と根性で悪魔と対峙していく。
彼の畏れを知らない心が悪魔と戦う武器になるか…?
東北といえばやっぱなまはげかなぁ…