転生モノの醍醐味であり苦悩である(挨拶
ハーメルンで連載中のダイの大冒険の二次創作小説。主人公はポップに転生した元医大生。原作知識を途中まで持っている。
ギルドメイン大陸の東部に位置するランカークス村。
人口1000人程度の小さな田舎町だが教会に武器屋、雑貨屋など生活に関係する場所は一通り揃っている暮らしやすい村だ。
そんな村に5歳になる一人の男の子がいた。名前はポップ。
彼には前世の記憶があった。つまり前の世界…日本でポピュラーだった「異世界転生」というものをしたらしい。
24歳の医大生で軽音楽部に所属。そろそろ就職活動をしようかな、なんて考えていた矢先に事故に遭い死んだのだ。
5歳の誕生日に突然記憶が蘇り、自分の名前を呼ぶ声でここが「ダイの大冒険」の世界であると知った。
前世で彼は「ダイの大冒険」という漫画を途中までしか読んでいなかった。具体的には主人公のダイが父親で竜の騎士であるバランと死闘を繰り広げ、かろうじて勝利を収めたところまでだ。
その後は大学受験の勉強で漫画を読んでいる暇もなくなってそのまま疎遠になり、読まなくなってしまっていたが当時は大好きな漫画だったしポップというキャラクターも大好きだったのですくに分かった。
気づいてからはすぐに魔法の習得に向けて行動を始めた。今でこそ魔王ハドラーが倒され平和な世だが、いずれこの地上に大魔王が侵攻を始めることを彼は知っている。
その時、自分ことポップは魔法を武器として主人公ダイの相棒になり戦うことになる。
原作ではアバン先生がポップの元を訪れて弟子入りした流れだったと思うが、魔法の練達が早ければ早いほど魔王軍との戦いで有利になるはずだ。
これが、後に「氷の賢者」と呼ばれることになる男の人生の始まりだった…
ポップ君は人気者だなぁ！
ダイの大冒険の二次創作ってダイよりもポップを主軸にしたものがメチャクチャ多いイメージなんだけど、やはりダイよりポップの方が書きやすいのだろうか…
さて、本作は原作知識ありでの転生なわけだが注目すべきは主人公は原作を途中までしか読んでいない点。
バラン戦の辺りまでしか原作を読んでいないので最終的に誰がどうなるかは分かっていないのである。
最も顕著に影響が出ているのはアバン。原作序盤でアバンはメガンテをハドラーに使い、死んだと思われていたが最終決戦で実は生きていたということが発覚する。
この時、身代わりアイテムである「カールのまもり」を所持していたためメガンテでの絶命を免れたのだが、本作ではポップがハドラー戦でダイを庇い、更に瀕死のポップにハドラーがザキを唱えたことでアバンが直感的にカールのまもりをポップに使用。
これによりポップは助かるがポップの意識の無いうちにその後の展開は原作通りに進む。
そしてポップ…主人公は気がついてしまう。「序盤で死んだアバンは実はこのアイテムによって本当は生きていたという展開になるのではないか？」と。「自分がいたばかりにアバンは本当に死んでしまったのではないか？」と。
果たして本当にアバンは死んだのか…？