お前の知っている常識がこの世界の常識だといつから錯覚していた?(挨拶
この物語の主人公・笠沙技(カササギ)は霊能探偵である。
より正確に言えば元々この世界の人間ではなく、よく似た現代日本からの転生者である。
しかし、よく似ていると言ってもやはり違いはあるわけで、前世の知識を活かして株や賭け事で儲けることが敵わないと知った笠沙技は、「転生者がいるなら超能力やオカルトもこの世界にはあるんじゃないのか」と考えた。
笠沙技のこの考えはアタリだったようで、心霊スポット巡りやオカルト関係に手を出し尽くした末に、彼はこの世界に幽霊、そして霊能力者の組織が存在していることまで発見したのだ。
だが、彼の快進撃もここまでだった。彼のこの世界における霊力こと霊質は非常に弱いものであり、お約束だが霊質が高いのは十代の少年少女達である、という展開が待ち受けていた。
完全に場違いな存在と化した笠沙技は、年端も行かない子供が戦い続ける中、霊を見て、話す程度の能力でちまちまと探偵活動を続けながら暮らしていくことにするのだった…
さて、欺瞞情報はここまで。嘘を言っているわけではないが。
この世界の霊能力者は「霊的存在を視認できない」。
霊能力者達は見えていない霊に対し、様々な情報で知覚しながら戦わなければならない。
また、霊質の高い人間は神に近い存在であり、おおよそ二十歳で神になって誰からも認識されなくなり、現世から消失してしまう。
そのため十代のまだ神になっていない霊能力者達が戦っている、というのがこの世界の常識だった。
この中に放り込まれたのが笠沙技。この世界で唯一「霊を直接視認できる人間」である。
見えず、戦うしかなかった霊と対話し、成仏すら可能としている笠沙技がマイペースで事件を解決している中、裏で他の人間がいろんな意味でヒイヒイ言ってるのを楽しむ作品になるか。
第一部完結とのことで、不定期更新になる模様。続き期待してます。
ハーメルン 霊能探偵笠沙技、今日もインチキ呼ばわりされながら事件を解決する。