彼女は一体誰なのか(挨拶
非安価系やる夫スレ作品で、ラブコメものでもありながらミステリーじみた部分もある。
主人公である高校生の春川やらない夫は、ある日突然父親の春川英輔(魔界探偵脳噛ネウロ)から、許嫁を紹介される。
しかし、紹介された許嫁はなんと箱を頭からかぶった奇怪な人物だった。
恥ずかしがり屋だという彼女は自らを「箱女」と名乗り、ボイスチェンジャーで声も変えているという徹底ぶり。
声を変えているのには理由があり、箱女はやらない夫と同じ高校に通う人物だという。口調についても変えているらしい。
許嫁として将来結婚するということには納得しているらしく、この日からやらない夫は箱女と同居することになる。
正体を隠す彼女に対し、やらない夫は該当する人物を推理することを試みるが…
2010年の作品で、当時正体不明の女性と突然同居することになるという展開と、高校生活の中での、やらない夫と交友関係にある女性陣から「箱女」の正体を突き止めるという推理要素が面白い。
「声を変えているということは声で誰か分かるほど近くにいる人物なのか?」「暗いところが好きだったり探りを入れてきたりする思わせぶり…彼女が怪しいのでは?」などの読者の想像を掻き立てるストーリー展開で、次々と話を読みたくなってしまう。
改めて今になって読み返すと、ラブコメの展開にかなりノスタルジックさを感じる…今のラブコメはエロ方向主体に持って行きがちだからかもしれない。
完結済みの作品。箱の中身が気になる方は読んでください。