異世界人は殲滅だ。(挨拶
微安価系やる夫スレ作品で、臨海学校の新幹線での移動中にトイレに行ってたら異世界転移したやる夫が難易度ナイトメアのファンタジー世界で生き足掻く話。
自分はどうしてこの高校を選択してしまったのだろうか。
橘やる夫はクラスメイトを眺めるたびにそう思っている。静岡の漁師町に生まれ、祖父も父も漁師。息子である自分も漁師になるつもりだったが、中卒で漁師になるのは流石に反対されたため高校に進学することになったのだが、みんなで記念にと受験した東京の進学校に何故か自分だけ合格してしまったのが過ちの始まりだった。
周りの生徒は皆政治家や医者や社長のご子息ご令嬢で自分とは環境どころか住んでいる世界が違った。
家の格が劣るとなると友達にはなれず、現在新幹線で移動中の臨海学校での班決めも余り物グループである。
あまりのストレスでストレス性の胃腸炎を患い、トイレに行くことも増えた。
今まさに腹痛がしてきたので新幹線のトイレに移動し、安堵しながらピクミンをプレイしていたところで大きな揺れを感じた。どうも新幹線由来のものではない気がする。
しかもさっきから騒がしかった客席の方が急に静かになった。…新幹線が止まってから30分が経過しても担任の教師すら来る気配がない。
担任にすら嫌われていたのか、なんてショックを感じながら新幹線のトイレから出ると、そこはみたこともないような山奥だった。
それにしても神様、せっかくくれたチートが自宅のトイレに繋がるってどうなの？
やる夫のチートスキルが「壁や地面に扉を出し、自宅のトイレに繋げる」なので一瞬ギャグものかと思いそうになるが本作はギャグの皮を被ったシリアスものである。
まずやる夫と、そのクラスメイトが転移した世界では異世界…地球から訪れる人間は「ストレンジャー」として周知のものになっている上に世界的に忌み嫌われている。
これは過去に転移してきたストレンジャーたちがチートを使って暴れまわり、更には洗脳系のチートでもって国家支配すら企んだという背景があるからだ。
やる夫たちの転移した国家はまだいい方で、酷いものだと強制収容所送りや即時抹殺などもあるほど。
異世界転移作品は星の数ほどあるが、召喚したわけでもないのに異世界人の存在が世界的に周知されていてかつ同規模で嫌悪されているタイプの作品はかなり珍しい部類だと思う。
と、やる夫たちの置かれている境遇は冗談抜きで笑えないレベルのものだが、特有の地の文や原作キャラが霞んで見える言い回しから最初に言った通りギャグの皮を被ったシリアスもの、という作風に仕上がっている。
さて、なんとか現地の住民の信頼を勝ち取りながらギルド職員として認められるようになっていくやる夫だったが、この頃からどうにも話の展開が怪しくなってくる。
「どうして地球人はチートを持ってこの世界に現れるのか」「世界的に蔓延しているが誰も原因を発見できない異世界嫌悪病」「成長してトイレから始まり自宅の間取りが増えていくやる夫のチート」「やる夫と別人格を疑われていく地の文」などの伏線が散りばめられていく。この世界は一体なんなんだ？
ちなみに、なぜかこの世界では「TOUGH」が聖典扱いされている。酷い文化侵略だ…
やる夫まとめくす 【R18(G)】チートスキルで異世界無双できないから生き足掻く