彼女は、ただの人間で、ただの母親だった。
ハーメルンで連載していたFGOの二次創作で、全7話からなる短編小説。メインの視点となるのはお馴染み藤丸立香…ではなく、彼の母親。
その日、彼女は不思議な夢を見た。
悪意に満ちた怪物と、それに立ち向かう様々な人々の夢。
でも、どうしてかその中に彼女の息子がいた。
ボロボロになっても何度も何度も立ち上がる息子と、息子の傍にいる大きな盾を持った女の子。だが女の子は、彼女から見ても―
夢から目覚めた朝、彼女はいつものように朝食を作り、仕事に出る夫と食べる。
テレビは「空白の一年」についての話題で持ち切りだ。
夫を送り出してから家事をこなし、ふとスマートフォンをみると、丁度気になっていた息子から「帰省します」との連絡が。
「カルデア」という国際機関に応募した息子が、帰ってくる。紹介したいという女の子を連れて。
FGOの本編ではなく、ゲーティアを倒した後の物語。ちなみに連載していた時期に第2部は配信されていない。
藤丸立香がカルデア来るまで魔術を知らなかったように、もちろん藤丸家は一般家庭。断じて伝説の傭兵夫婦だったりはしない。
どこにでもいる普通の母親が、立香、そしてマシュと束の間の日常を送る、そんな話。
母親の視点で、初々しい立香とマシュを受け入れていく展開が、読んでいて非常に温かな気持ちになれる。
FGOの小説といえば基本的にはバトルものだが、第2部がなければこんな展開もあったのかもしれない。
続編もあります。き、きよひー…