クソゲーオブザイヤー受賞作かな?(挨拶
小説家になろうで連載していたVRものとファンタジーものを混ぜた、よくある「ゲーム世界に転移する」小説。
主人公、相良操麻(さがら そうま)はとあるVRゲームに熱中するプレイヤーの一人。
彼がプレイしているのは、「New Communicate Online」というVRゲームで、「今世紀最大のクソゲー」という不名誉すぎる称号を持つゲームだ。
悪質な仕様と大量のバグによって、普通に進行するのですら困難を極めるこのゲームだが、操麻はこのゲームを楽しんでいた。
彼がいつも通りゲームを楽しんでいると、従妹の真希(まき)から連絡が入る。
今日は彼女の家の倉庫整理を手伝うことになっていたのを忘れていたのだった。
来ないので自分一人で整理を始めている、とのことだったが、真希が倉庫から「7個のオレンジ色のボール」や「猿のようなミイラの手」を見つけたところから雲行きが怪しくなってくる。
そして、通話越しにでも自分よりもゲームを優先しようとする操麻の態度に怒った真希が「木でできたハンマー」を振りかざしながら、「そんなにゲームが好きならゲームの中にでも行っちゃえばいいでしょ!」と願い事を言った瞬間、操麻の意識は暗転するのだった。
ゲームの中に行く…という展開自体はありきたりだが、この作品の肝は転移したゲームが尋常ではないこと。
攻略wikiのFAQにすら大体の回答が「バグです」となっているあたり、このゲームのクソさが分かるというもの。アジノコじゃねーんだぞ!
しかし、主人公の操麻はこの「New Communicate Online」、通称猫耳猫をこよなく愛し、バグと仕様を完璧に把握しているプレイヤー。
あらゆるバグ技を使いこなし、「気持ち悪い」と称される謎移動から、初見殺しの対応まで全てをこなし、この世界で生きていく。クソゲーハンターか何か?
だが、この世界に巻き込まれたのは操麻だけではなかった。あの場にはもう一人いたのだ。
いくらゲームの世界に行くとしても、こんな世界に好きな人間ならともかく、好き好んで行きたくはないなぁ…
本編完結済み。書籍化と漫画化もされている。