落ちこぼれが強いというのは今やテンプレなのか?(挨拶
ハイファンタジー小説。大陸の北方から「魔獣」という存在が侵攻してきており、特に「大侵攻」と呼ばれる大規模な魔獣の襲撃によって3つの国が滅んでいるという過去がある。ちなみに人間だけじゃなくてエルフとか獣人もいます。ファンタジーのお約束だ!(何
人類はこの大侵攻に対抗すべく学園都市アルカザム、そして人材育成学校のソルミナティ学園を設立。ここが物語の舞台となる。
主人公のノゾム・バウンティスは故郷の村から一緒に育ってきたリサ、ケンの2人と共に学園にやってきた。
ここで補足だが、この世界では人々は「アビリティ」という固有の能力を発現させて恩恵を受けている。
ノゾムに発現したアビリティは「能力抑圧」。極めて珍しいが記録上、読んで字のごとく本人の能力が否応なしに押さえつけられるだけのデメリットアビリティである。
この発現したアビリティによってノゾムは大きなハンデを背負うこととなる。
更に幼馴染で付き合っていたリサにも振られ、しかもどういうわけか自分が浮気したことになっている。
学園の最底辺になり、絶望の淵にいたノゾムを見捨てなかったのは都市の外に住む老婆シノ。剣術の達人でもある彼女は魔獣に襲われて瀕死の状態でなお「諦めない」というノゾムの強い意志を認め、自分の弟子にしたのだった。
この作品の連載が始まったのは2011年。当時小説家になろうでは「異世界に転生して無双する」とか「レベル・ステータス」というテンプレートができ始めたぐらいで、そんな中で小説として読んでて面白い、というイメージを受けたのがこの作品だった。
このあとノゾムは「あること」を成し遂げて成長を果たすのだが、その理由もこれまでの流れからしっかりと構築されている。底辺からの成り上がりに感じるカタルシスも素晴らしい。
2018年の5月で更新が途絶えているのが非常に残念。再開しないかなぁ…