レジェアルを遊んだなら思い浮かぶクロスオーバーかもしれない(挨拶
ハーメルンで連載中のLEGENDSアルセウスとモンスターハンターシリーズのクロスオーバー。主人公は一応原作アルセウス女性主人公のショウだと思うが、本作は群像劇に近く現実世界からモンハンモンスターに転生した5人の転生者、それにまつわる関係者など様々な人物にスポットが当たる。
「ギンガ団を退団してもらう」
自らをアルセウスと名乗る存在によって昔のシンオウ地方…ヒスイ地方に飛ばされた少女、ショウは今絶望の淵にいた。
家も家族も無いこの時代でショウはコトブキムラの住民となり、皆の信頼を得ようとギンガ団に入団し、与えられた指令を必死でこなしてきた。
だが自分が落ちてきたと言われる時空の裂け目が悪化した時、それはショウのせいだとあらぬ疑いを掛けられ、「潔白を証明するために一人で調査しろ」と死刑宣告に等しい指令が下る。
「絶対に負けない」と決意を胸に調査を始めたが、状況は芳しくなく体も心も限界に近づいていた。
降りしきる雨に濡れた体から体温が奪われ、死の予感がする。
「だれか…たすけて…」
力なくそう呟いたとき、「それ」は現れた。
背後で凄まじい爆音が聞こえ、雷でも落ちたのか。そう思って立ち上がった時、現れたものは見たこともないポケモン。
白色の体毛に青緑の鱗。二本の角に鋭利な爪。おまけにこれから食事にするつもりだったのかオヤブンギャロップの首を口に咥えている。
ああ、自分はここで死ぬのか。その時はそう思った…
本作は掲示板方式を採用しており、ヒスイ地方にモンハンモンスターとして転生した5人の現実世界からの転生者の脳内スレ、という形で1話。
そしてその裏側…主にショウの視点で展開される物語を普通の小説形式で進めていく。
また、転生者がモンハンモンスターに転生している時点でという話ではあるが単純なモンスターを登場させただけのクロスオーバーではなく、ポケモンが極み個体になったり二つ名が付いたりとモンハン側の要素がポケモンに適用されたりすることもあり、2つの作品の世界観を上手にリミックスさせている。
強さ的には冒頭でオヤブンギャロップがジンオウガ(転生者)に狩られていたこともあり、モンハンモンスターの方が圧倒的に上となっている。
正直転生者が複数出てくる作品にはいい思い出が無いので敬遠していた作品だが、最近レジェアルを遊んだこともあって読んでみると完成度の高い面白さがあった。食わず嫌いとはこのことか。
しかし、モンハン世界からの来訪者は彼らだけに留まらなかった。