すいません、諏訪部違いです…!(挨拶
ハーメルンで連載中のFate/stay nightと呪術廻戦のクロスオーバー小説で、遠坂凛がアーチャーエミヤではなくアルターエゴとなった両面宿儺を呼び出してしまう話。声だけ違和感ねぇ…
深夜の冬木市は、まるで世界そのものが凍りついてしまったかのような静寂に包まれていた。
遠坂凛は、豪奢なアンティークチェアに深く腰掛け、自身の掌をじっと見つめていた。
「……いよいよ、ね」
ぽつり、と。乾いた唇から零れ落ちた呟きは、誰に聞かせるためのものでもない。ただ、己の内に渦巻く熱情を確かめるための儀式のようなものだった。
聖杯戦争。七人の魔術師(マスター)が、七騎の英霊(サーヴァント)を召喚し、あらゆる願いを叶えるという万能の願望機『聖杯』を巡って殺し合う、血塗られた魔術儀式。
凛の脳裏に、今は亡き父、遠坂時臣の背中がフラッシュバックする。
(お父様が成し遂げられなかったこと。遠坂の当主として、私が必ず証明してみせる)
決意を胸に自らの魔術工房へと移動し、壁にかけられた古めかしい時計を確認。己の魔力が最も高まる午前二時丁度、凜は召喚を始めた。…その時計が一時間ほど進んでいたことなど知る由もなく。
召喚の呪文の最後の言葉を紡ぎ終えた瞬間、魔法陣から爆発的な光が溢れ出した。
いや、それは光ではなかった。
(……え?)
凛の瞳孔が限界まで収縮する。溢れ出したのは、神々しい英霊の輝きなどではなかった。泥のように重く、底なしの闇のようにどす黒い「何か」。
魔法陣の中心に立っていたのは、甲冑を着た騎士でも、ローブを纏った魔術師でも、赤い外套の弓兵でもなかった。
そこにいたのは、一人の少年だった。
一見すれば、どこにでもいる普通の少年のように見える。だが、その顔、腕、露出した肌の至る所に、異様な「紋様」が刻まれていた。そして何より、その存在感。
少年の器を完全に凌駕し、世界そのものに己の存在を押し付けるかのような、圧倒的で暴虐な圧力。魔力とは似て非なる、底なしの負のエネルギー。
【――呪いの王――】
「……おい、小娘」少年―両面宿儺は、床にへたり込みそうになりながらも、必死に自分を睨みつけている赤い服の少女を見下ろした。
「ここは何処だ? 随分と空気が薄っぺらいが……俺をこの『器』に喚び出したのは、お前か?」
声優は同じだけど人違いです…!
やってくれたな遠坂凛!Fateの由緒正しきクロスオーバーの流れですよこれは…
サーヴァントという枠に押し込められているとは言え宿儺の強さ、そして横暴さは健在。
しかし、凡百の魔術師ならサーヴァントに命令するための令呪を、宿儺を従えようとして使うのがありありと想像できるが、凛はそうしない。
次の瞬間には宿儺に両断されていてもおかしくないのにクソ度胸で啖呵を切る様はまさしく遠坂凛、って感じだ。宿儺みたいなタイプは暇つぶしとしては気に入ってくれそうだよな。こういう人間。
宿儺は呪術廻戦の原作終了後から来ているようで、十種影法術と魔虚羅も問題なく使える模様。つまり肉体的には伏黒宿儺ってことだな。
となると気になるのはバーサーカー、そしてギルガメッシュとの対戦カードか。
この出自の異なる者同士の、言うなれば異種格闘技戦こそがクロスオーバー作品の醍醐味であり面白さの肝だが、こうご期待。
ところでこの世界でサーヴァントになっていても宿儺が扱うのは魔力ではなく呪力。負のエネルギーなわけだがあれ?冬木の聖杯って…
ハーメルン Fate/stay night [Alter Ego of Calamity] ――理外の双貌