医学チートものは一定の面白さがあるなぁ (挨拶
小説家になろうで連載中のファンタジー小説。医学…というよりは、かなり踏み込んだ薬学がテーマになっている。
幼い頃に妹を脳腫瘍で亡くした主人公、薬谷完治(やくたに かんじ)は、その経験から多くの人々を救うことを目的として、薬学の研究に没頭した人生を送ってきた。
しかし、急性の心筋梗塞で急逝した彼は、異世界にてファルマ・ド・メディシスという10歳の宮廷薬師を目指す少年に転生していた。
前世の経験が活かせそうだ、と安堵するのも束の間、地球でいう中世フランスのような文明レベルのこの世界に、現代地球のような高度な薬学は存在せず、書物を覗いても間違いだらけの治療法や薬のレシピ。
おまけに神術、という魔法染みた力によって患者は治療されているという事実。
自分の知識をこの世界のために役立てる、とかつての若き薬学者は決意したのだった。
なろうではお馴染みなので言うまでもないことではあるが、当然主人公は元々の知識だけではなく、神術でもチートレベルとなっている。
制約は一応あるが、物質創造や物質消去が可能なため、体内の毒物を消し去ったり、化学物質を精製できたりするからね。
主人公のチートはともかく、作中に出てくる薬学を用いた闘病の描写はかなり本格的。
筆者が医学研究職だったり、この小説を読んでいる実際の医師の方が精査していることが文末のあとがきに書かれている様子があるため、高度な薬学の知識の元に書かれた小説であることが分かる。
国家に蔓延しようとしているペストを食い止める話があったが、今現在コロナと現場で戦う医師たちはこの何倍も苦労しているんだろうな…
書籍化され、現在7巻まで小説家、漫画も5巻まで出ている。