ハーメルンで完結済みのウルトラマンティガを原作とした二次創作小説で、主人公はティガ…ではなくティガダークへと変身する能力を持ったオリ主。
俺には前世の記憶がある。記憶が甦った切っ掛けは五歳ごろ、叔母に殴られた時だった。
俺の父方の叔母はメンヘラ気質で、何か分からんがいきなり殴られた。で、倒れて頭打った衝撃で記憶が戻り、自己防衛として叔母に反撃。ちょうど近くにあったデカい鋏で刺してやった。
そんな事件があったせいでその年はゴタゴタしたが、やがて時間が解決。 高校まで成長して今は船で一人旅中だ。
その道中、怪獣が襲ってきた。
超古代翼獣ゾイガー。劇場版ウルトラマンティガに登場した怪獣。
ソイツを見た途端、俺は興奮したと同時に恐怖した。
怪獣がいる。空想の存在の筈だったものが暴れている。確固たる殺意を持ち、俺と人類に牙を剥いている。
だが、不思議と俺はそこまで絶望しなかった。ここはウルトラマンティガの世界。だったら、ティガがきっと助けてくれる。そう思って俺はウルトラマンの登場を願っていた。
だけど、ティガは来てくれなかった。
悲鳴が響く。船の中にまでゾイガーが侵入。乗客や乗員を次々と食い殺し、辺りに血が飛び散る。
船が黒い霧に覆われて動かなくなった中、阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられた。
何故だ。ティガは何故来ない。何時になったらウルトラマンが来てくれんだよ！？
「………嫌だ」
死んでたまるか。折角生まれ変わったのに。俺の二度目をこんな形で終わらせて堪るか。
俺は転生者なんだろ？ウルトラマンの世界なんだろ？だったらさっさと来いよ！来ねえなら俺にやらせろ！特典さえ…転生特典させあればこんなことにならないのに！
よこせ。俺に力をよこせ。転生した俺に、受けるべき特典を渡せよ！！
「あ…あああああああああああああああああああああ！！！」
闇の中、俺は吠える。ある筈もない光に向かって。黒い霧が充満する中、沈んでいく船の中で。俺は何かを掴んだ気がした。
だが掴んだのは光の力ではなく闇の力。
主人公は学力・身体能力共にかなりハイレベルなものを持っているがよく問題を起こし、治安のよろしくない歓楽街に行き来していたりと少々ガラが悪い。
怪獣との戦闘でも、人々を守るために戦うのではなく自分が力を振るいたいから…楽しみたいからという理由で戦う。
それ故ティガではなくティガダークになったのか…？
原作の劇場版にてダイゴが変身したティガダークは元々闇の戦士の中で最強だったが、ダイゴの心が光のままだったため酷く弱体化していたという設定があった。
しかしこの主人公が変身したティガダークは上記の主人公の性質もあってダイゴのティガダークよりも遥かに強い…というかティガダークの元のスペックを発揮しているというべきか。
闇の怪獣の持つ闇の力を吸収して自分のものにする力すら持ち、光のティガ同様スカイタイプとパワータイプにチェンジする力をも身に着けている。
だがそれでもあくまで闇の巨人。果たして光無き者に地球を救うことができるのか…
ちなみにクロスオーバータグがついており、炭治郎などキャラだけが登場するが原作とはなんの関係もない別人です。