なるほど、この発想はなかった。(挨拶
ハーメルンで連載中のオリジナルファンタジー小説。主人公は転生者だが…?
エイジ・ククロークは転生者だ。
前世の頃から転生ものと呼ばれるジャンルの小説を好んで読んでいたエイジはこの展開に胸を躍らせた…ということもなかった。
というのも、この世界での転生者というのは決して珍しいものではなく、おおよそ40人に1人の割合で転生者がいて、更に転生者はこの世界のインフラである「魔法」への適正が低いというオマケ付き。
転生者であることが逆にハンデになる世界で妹のウアを可愛がりながら勉強していたエイジだったが、人生の転機は突然訪れた。
両親が自分と妹を殺そうとしてきたのだ。
それまで普通の家族だったのに突然「お前なんて産まなければよかった」「お前を殺して俺も死ぬ」などと言われることに。心当たりなど全くなく、意味が分からない。
だが変化したのは両親だけではなかった。
近所のおばさん、学校の友人、自分が知らない人すらも殺そうとして来る。
一体何が起こっているんだ!?
話が進むと多少情報が開示されてくるのだが、タイトルにある通りこの小説の肝は主人公以外のほぼ全ての存在が「2周目」…つまり、未来の出来事を記憶しているということである。
それによると主人公は未来において「魔王」と呼ばれ世界を滅ぼそうとするとんでもねぇ存在になるらしいのだが、如何せん何故そうなっているのかの手がかりが何もない。
更に質の悪いことに、この「やり直し」は個々人において同一の未来のものではなく、「魔王を最も憎む未来の記憶」を保持するようにやり直されているらしい。
もっと言えば特殊な事情により主人公を憎む未来が存在しない師匠ポジの人物によれば「過去改変」は魔法的に不可能な模様。
謎が多く、断片的な伏線を回収していくのでどちらかと言えばファンタジー小説を読んでいるというよりはミステリー小説を読んでいるかのような気分になる。
しかし、どの記憶にも「魔王に妹は存在していない」ようだが…?
ハーメルン 俺「以外」の全員が「2周目」は流石に鬼畜仕様過ぎる。