久々に美醜逆転もの読んだな…(挨拶
ハーメルンで連載中の東方Projectの二次創作小説で、女性の美醜観の逆転している世界の幻想郷に異世界転生したオリ主がフラグを立てまくる話。コメディ調が強め。
人里に月の明かりが差し込む。もう夜になり手に持った提灯の明かりを頼りに慧音は人里を巡回していた。人々が寝静まり辺りには虫の奏でる音色と獣の遠吠えが時々聞こえるだけであった。
「異常なしだな」
人里は人間が暮らし、唯一人間の安全が確保された場所であるがそれでも警戒は怠らない。この世には飢えた獣だけでなく醜き妖怪達が目を凝らして人里を睨んでいるのだから。
慧音は一通り見て回り異常がないことを確認すると課題のために寺子屋に戻ろうとした……その時だった。
「……ぎゃ……おぎゃ……おぎゃ!!」
「赤ん坊の……声?」
確かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。人里なのでどこかの家の赤ん坊が泣いているのだろうと思う……とは慧音には思えなかった。何故ならそれは門の向こう……すなわち人里の外から聞こえてきたのだから。
慧音はゆっくりと門に近づき慎重に扉を開く。目を凝らし、暗闇が広がる空間に提灯の明かりを照らし出す。するとそこには布切れに包まれた赤ん坊がこちらを見て驚いた様子で固まっていた。
とにかくこんなところに赤ん坊を置いておくわけにはいかない、と寺子屋に連れ帰り、用事を済ませて帰ってきた妹紅に勘違いされるなどひと悶着はあったが、問題はこの赤ん坊の処遇だった。
明日には親を探すことになるだろうが、明らかに捨てられていた様子の赤ん坊の親が自ら名乗り出ることなどしないだろう。その場合この赤ん坊は一体どうなってしまうのか。
考えた末に慧音は自分たちがこの子の母親になることを決意した。妹紅は自分たちのような「不細工」が母親だなんて可哀想じゃないのか、と反論するが不細工に訪れることはほぼないであろう母親になるチャンスを慧音は失いたくなかった。
こうして赤ん坊は上白沢慧音の息子として育てられることになるのだが、この別の世界から転生してきた赤ん坊は、この世界の女性の美醜観が自分の暮らしていた世界のそれとはまったくの逆だということをまだ知らない…
美醜逆転にもいくつかタイプがあって、この作品は女性の美醜観のみが逆転しているタイプ。
つまり理想の男性像は我々が暮らしている世界のものと変わらないが、女性のみ逆になっているのである。だからこの作品の主人公は別にオークみたいな面してるわけではない…いいね?
さて、当然ながらこの世界の東方原作キャラは全員もれなく「不細工」。特にかぐや姫こと輝夜なんかはこの世のものとは思えない不細工であり「永遠亭に住んでいる怪物」なんて呼ばれたりしている。
そんな今までまともに扱われなかった年頃(?)の少女達が自分を見てくれる男性に出会えた…惚れないわけないな?
息子とはいえ自分に懐いてくれてる男性なだけあっても慧音も妹紅も親バカ全開。
特に妹紅なんて主人公が輝夜と会わせたくない一心で親バカを越えてモンペみたいな行動を取ってる始末。流石にドン引きだよ…
と、上記の妹紅のようにかなりコメディタッチの強い作風をしていて、割とキャラ崩壊気味な言動を取る人物が多いので一応注意。
まだ更新止まって1年経ってない…エターにはなっていない…と思いたい。