おめでとう、今日から君もオブジェクトだ(挨拶
ハーメルンで連載中のSCP作品群を原作とした二次創作小説。主人公は現実世界からSCP世界に転生してしまったオリ主。地獄へようこそ!
「彼」は今まさに車に轢かれようとしていた。
自殺というわけではなく信号無視で飛び出してきたトラックから子供を庇った結果である。
「彼」は既に死を一度経験している。「彼」は所謂転生者だった。
死ぬということを経験した彼はひどく臆病で大胆な生き方をするようになっていた。例えば横断歩道を渡るときは左右を確認した上で動く車がいないか更に確認し早足で渡るようになったし、突然海まで自転車で行ったりふらっと入った店で大食いチャレンジに挑戦したり。
死にたくないことを誰よりも願っていたはずなのに、その臆病すぎる生き方のせいで轢かれそうな子供を発見してしまったのは皮肉としか言いようがない。
「彼」は早く終わってくれと祈りながらもその身に強い衝撃を受け…
事故発生から近隣住民の通報を受け、現場に到着した警察は混乱することになる。
なんと子供を庇ってトラックに轢かれた被害者が、何事も無かったかのように起き上がり現場から走り去ったと事故を目撃した人々が口を揃えて証言するのだ。
集団幻覚でも見たのかと結論付けたいが、現場には一目で致死量と分かる血液が残されている。
この事件は公的には起こらなかったことになり、関係者たちも覚えていないというだろう。
だがこの奇妙な状況に心当たりのある者達がいる。彼らはただ暗闇のなかで異常から人類と世界を守るために動き続ける人々。「財団」と呼ばれる者達である…
以前ランス世界も見てる分にはいいけど行きたくねぇ世界だ、という話をしたがSCP世界とどっちがマシかな…
オリ主は前世の記憶があるだけの転生者…と思い込んでいたが、実際はタイプグリーン。とどのつまり現実改変能力者。しかも作中であのジェームズ・フランクリンを殺害するレベルのとてつもなく強力な改変能力を持っている。
改めて言うがこの世界はとんでもなく無慈悲な世界である。普通に生きていても突然SCPに絡まれるし、運が悪ければ死なせてもらえないレベルの苦痛を味わう羽目になる。
この世界に財団が存在し、自分が現実改変能力者、つまりSCPオブジェクト扱いされていることを知った主人公が取った選択肢は財団に捕まらないように逃げながら、かつ自分の記憶をフル動員してSCPオブジェクトの収容知識を財団に送ることだった。実際知らなければ何も分からないうちに大変なことになってるオブジェクトとかあるからなぁ…長野のマジキチブラックホールとか最たる例だし。
主人公は自分のことを「一流の悲劇を三流の喜劇に変えるもの」って言ってたけどあの世界のことを知ってて自分になんとかできる力があるならそうしたくもなるだろう。クソサンタとか「博士」とか現実として見るには胸糞があまりにも多すぎるんだよ。
キミは好きだった「財団」を敵に回してどこまで折れずにいられるのか。