見た目は大人!中身は怪物!(挨拶
ハーメルンで連載中の名探偵コナンとクトゥルフ神話のクロスオーバー作品で、旧支配者である黄衣の王・ハスターに転生したオリ主が日本のロアナプラと名高い米花町で暮らす話。
聞こえますか。聞こえますか。ヒヤデス星団おうし座のアルデバラン、黒きハリ湖より通信中。
俺の名前はハスター。 神話生物にして神。遍く星々の海に君臨する偉大なる者、旧支配者の一柱である。
長いタコともイカともトカゲともつかぬ身体をくねらせて、俺は黒きハリ湖の湖底でため息をついた。
俺が生を受けて138億年以上。長い長い悠久の時間の流れは、俺という一般人の精神には憂鬱に過ぎる。
ところでだが、ハスターとは何者か、皆さまはご存じだろうか。ハスターとは、現代仮想神話体系でおなじみの「クトゥルフ神話」にて登場する邪神だ。
俺はそんな冒涜的な神となってしまったごく普通の転生者だ。
俺は自分が死んだと自覚した直後、この世界に旧支配者ハスターとして再度生まれ落ちていた。
生まれた瞬間目の前に広がる父上・時間の大神ヨグ=ソトース!俺の誕生を祝っているらしい踊り蠢く異形の生き物たち!なんか捻れた空間と宮殿っぽい謎の建造物!
お分かりだろうか。この寝起きに貞子が自分の顔を覗き込んでいたみたいなSAN値チェック不可避の状況を。
そうして、苦節〇〇年。俺はついに立ち上がった。────────そうだ、地球へ行こう。
現在、俺は日雇いの交通整理のバイトで、真夜中の工事現場前に赤く光るバトンを持って一人ぽつんと立っております。やってきました地球、母国たる日本と首都。
夜の闇を加味せずとも、傍目には今の俺は人間にしか見えないだろう。ジーンズに黄色いパーカーを合わせた、大学生ぐらいの兄ちゃんをイメージした身体になっている。
そんなバイト生活を続けていたある日、路地裏から不自然な苦悶の声が漏れ聞こえてきたのを耳にした俺は、交通整理用のバトンを懐中電灯代わりにしながら向こうの河川沿いに続く細い道へと入っていった。
ざりざりと何かをアスファルトに引きずる音。遠くで男の話し声が聞こえる。
もしかして不審者とかかな、ヤバそうなら見なかったことにして引き返そう。そんな風に若干おびえつつ一応の確認だけ取ろうとひょいと高いブロック塀の向こう側を覗き込み。
俺は銀髪の黒づくめが死体に腰かけて一服ふかしている姿を目撃してしまったのだった…
え?ヤバそう?お前の言うヤバそうってデモンベインが殺しに来るとかそういうレベルじゃないの?(素
上記の銀髪の黒づくめの男というのは皆さまのご想像通りジンであり、当たり前のように射殺されるが当たり前のように生きて逃げる。旧支配者をただの銃で倒せるなら誰も苦労してねーよ。
さて、運悪く黒づくめの組織に目を付けられてしまった主人公だが、死後幽霊と化していたスコッチこと諸伏、そして予定調和のごとく小学生になったコナン君と一緒に探偵事務所を開くことになる。
つまり、この世界線では毛利のおっちゃんではなくオリ主がパペット役。
もちろん、銃で撃たれても何の問題もないことから旧支配者としてもほぼ全能に近い能力を振るうことができ、やろうと思えば黒づくめの組織の壊滅など赤子の手を捻るようなものだが、主人公は本作現在の時系列よりも遥か昔に地球に来た時の「やらかし」が元で人類に対する過干渉はしたくないらしい。
でも魔術を使ってのパワープレイは結構やってる。死んだ人間の幽霊と話せる時点で推理もクソもねぇが、ジャック事件中の脳内ネットワークとか便利にもほどがある。
ちなみに、主人公を崇める団体…言わばカルト教団も存在していて、警察の内部にも信奉者がいたりするので細かい事は融通を効かせてくれる。魔術も普通に使う信者共だし、黒づくめの組織よりこっちの方がヤバくねぇかな…
魔術とか霊の存在を知って、事件の度に主人公にそういう超常現象が関わってるかどうか確認するコナン君ぇ…