世界一幸運な話…だとでも思っていたのかぁ?
非安価系やる夫スレ作品で、文字通りやる夫が「たからくじ」に当選する話。え?なんで強調するんだって?全7話の中編。
今日は朝からテレビの天気予報が宣言した通り、午前も午後も晴天で絶好のお出かけ日和。
そんな日にやる夫は恋人・翠星石と昨晩も関係を持っていたベッドを抜け出し、午後からの講義に出るために大学へと向かおうとしていた。
テレビのニュースでは本日の夜に「たからくじ」の当選発表があるとの報道があり、やる夫が「たからくじ」をやっていることを知っていた翠星石も多少は興味がある模様。
翠星石は「たからくじ」も「たかりくじ」も好きになれないというが、これを買っておくだけで部活と勉強を両立できるようになるのだ。
怖いのは万が一当選してしまった時だがそんな確率は交通事故に遭うよりも低い。1ヶ月ちょっと証拠のブレスレットを着けているだけで数十万円の金が手に入るのだからやらない手は無いだろう。
大学での賑やかな生活を終えて帰宅し、両親と団欒しながらテレビを見ていると今朝のニュースで言っていた「たからくじ」の当選者発表が行われていた。
当選者は入速出やる夫。テレビに映っていたのは間違いなくやる夫自身だった。
そして当選発表が行われた直後、今まで楽しく話していたはずの両親が刃物を手にし、やる夫に襲い掛かってきたのだった…
さて、ではここで改めてたからくじ…改め「他狩らくじ」と「他狩りくじ」について説明しよう。
他狩らくじは一口ごとに3000円の給付が受けられ、一人あたり百口まで所持可能。
他狩りくじは一口300円で購入可能で、他狩らくじ所有者の中から抽選で選ばれた当選者が賞金首となり、他狩らくじ所有者は発表から1週間以内に当選者を殺害してブレスレットを当選者のブレスレットにかざすことで確認となり、賞金の3億円を入手できる。
また、当選者は1週間の期間を逃げ切ることができれば給付とは別に10億円の賞金が手に入る。
…もうお分かりだろうがこの作品は宝くじに当選したやる夫の激変した日常を描く…などという作品ではなくデスゲームものである。いや、日常は激変しているが。
それまでずっと暮らしてきた家族や友人や恋人がある者は賞金を目当てに、ある者は愛する者を別人に殺されないために…とやる夫の命を狙ってくる。
更にこのゲームは国家公認で行われている娯楽のようなものであり、当選者を狙うことを生業とするハンターも存在しているらしい。
一体誰が信用できるのか、どうやって逃げればいいのか。やる夫の命を懸けた1週間が幕を開ける…
最近デスゲームと言えば人狼ゲームに近いものが多いので、こういう真正面から来るタイプは久しぶりに見た気がする。