なんだろう、この2000年代後半のエ〇ゲみたいな雰囲気…(挨拶
非安価系やる夫スレ作品で、両親を亡くした主人公が同じく娘を亡くして離婚した叔母と同居しているところから話が始まるオリジナル。主人公のAAにはやる夫が使われているが…?
―物語は既に終わっている。
火曜日。家では同居人の柚原春夏(ToHeart2)がシャワーを浴びている。「僕」はヘッドフォンを付けて音楽を聴いていたが、春夏さんがシャワールームから何かを呼び掛けているような声が微かに聴こえたので音楽を止めてヘッドフォンを外した。
どうやらシャンプーとリンスが切れていたらしい。どこか抜けている春夏さんに替えのシャンプーとリンスを渡すと「一緒に入る?」なんて冗談めかして言われた。
「僕」は春夏さんに劣情を抱いている。春夏さんは娘を亡くして夫と離婚し、両親を亡くして孤独になった自分を引き取ってくれた。戸籍上は母親の妹なので叔母にあたるが、「僕」は母と再婚した父親の連れ子。つまり春夏さんとの血縁関係は皆無なのだ。
春夏さんを想い、部屋で自分の感情を解放していると、いつの間にか部屋の中に顔を赤くしている見知らぬ女性がいた。
女性曰く、彼女の名は水銀燈(ローゼンメイデン)。悪魔だそうで、「僕」に悪魔の媚薬を与えるためにここにきたのだとか。
水銀燈はやけに親しげに話しかけてくるが「僕」と彼女は初対面だし、そもそも悪魔を召喚した覚えなどない。彼女は一体…?
抜きゲーみたいな導入だが、ここから始まるのはドチャクソ複雑な事情が織り交ぜられた群像劇である。
この作品について多くは語れない。何故ならこの作品は全7話の中編で、話が進むごとに物語に張られた伏線が回収され、話の全容がどんどんを見えてくる形式になっている。
下手な事を言えばネタバレになりかねないので感心したポイントだけ話すのなら、このミステリー染みた群像劇のカギを握るのはAA。
やる夫スレならではの盲点と言うべきか…この作品から発想を得た作品も多いのかも。
「僕」と春夏の関係、「僕」を知っているかのように振る舞う水銀燈、物語の裏で暗躍する悪魔…
一度に全てを理解しようとするとかなり混乱するので、全話見終わってからもう一度見直すことを推奨する。
R‐18だし結構ドロドロしてるのでミステリー的な部分を抜きにしてもそういった苦手な人は注意。