(ワイルズから)抜け出せない…!(挨拶
ハーメルンで連載中のモンスターハンターシリーズの二次創作で、モンハン世界に異世界転生してしがないハンターとして生計を立てていたオリ主が傷ついたミラルーツと出会うことから物語が動き出す。
この世界に生まれ落ちたのが、二十五年前。空は広く青く澄んでいて空気は綺麗。見た事の無い大自然が広がっている。しかし見慣れない生物が飛び回り、街や村では牛や馬ではなく、馬鹿みたいに大きい恐竜みたいなのが荷馬車を引く。何処か見た事がある光景。
そう、簡単に言えばモンスターハンターの世界だ。
はっきり言って、しっかりと自分の意識を持ってそれを認識した時はそれはもう、興奮したものだ。
何せゲームの画面越しの世界の出来事で、システム上でしかそれらの世界を感じる事が出来なかったのに今は本当にこの世界に生まれ生きて、そして生活している。
しかし、幻想が現実になった時。それは地獄を意味する。
考えても見れば、体長が二十mを超えるようなモンスターが至極当たり前の様に闊歩しているのだ。
余り言いたくは無いが、モンスターと言う強大な存在がいるこの世界では、命を失うなんて当たり前だ。村の中にいても襲撃されることもあるし、旅に出たり行商中であろうと襲われる。しかも国同士の戦争もあるし、命の重さは、はっきり言って軽い。
だからこそ、生き残るための力を欲した。何十年も前にハンターを引退した、村の老人に頼んで身体を鍛え稽古を付けてもらって。
そして二十歳の時に正式にハンターとなってしばらく後。森の異変を察知して調査に出た俺が森の奥深くで見たものは、傷ついた古龍・ミラルーツの姿だった…
本作はタイトルで分かるかもしれないが、有名な日本民話である「鶴の恩返し」を元ネタに描かれている。伝説のミラルーツ様ともなれば擬人化して嫁入りするぐらいは余裕ですよ…(多分)
モンハンの世界においては黒龍ミラボレアスに関連するモンスター達は禁忌扱いであり、原作知識によって存在を知っていた主人公も「消されるか街に強制移住させられて監視付きの生活を送るだろう」とは思っていた模様。
そんなん嫁にして大丈夫なんですか…?と思っているそこの貴方、ギルドごときが「夫に手出したらブチ殺すぞ」と息巻いてる古龍に逆らえると思いますか?
寿命が違いすぎる問題も主人公がミラルーツの血、つまり古龍の血を飲むことによって解決。永い永い時間を思う存分イチャコラして暮らすんだぁ!
結婚しても一応ハンター業は続けており、ミラルーツの力や権力を盾にどうこう…とかいうわけではない。彼女の力を頼るのはドンドルマを通るラオシャンロンとちょっと話し合ったり…とかそういう場合。
モンハンと言えばモンスターとの生死を賭けた戦いがメインコンテンツだが、本作において戦闘描写はほぼ無く、ミラルーツとの緩やかなハンター生活を眺める作品。作風としては非常に穏やかと言えるだろう。
しかし半分ヤンデレっぽくもある独占力の強い嫁さんは良いなぁ…(見てる分には