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やる夫は楽園で暮らす様です

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この島で一体何が起ころうとしているのか…?(挨拶

非安価系やる夫スレ作品で、中編ほどの長さでSCPに似た世界観を題材にしている現代サスペンスもの。島に嵐が来る中、突然超能力に目覚め始める住人達…そして裏で島の監視をする財団職員。彼らに待つ運命とは?

1997年9月28日。
この日は酷い嵐だった。彩華島にある彩華第二高等学校の学生寮、そこで暮らしている入即出やる夫は部屋の中で明日警報が出て学校が休みになってくれないか、なんて考えていた。
場面は変わって彩華島から少し離れたところに停泊している探査船スリープレス号。
船内では2人の人間が会話している。やらない夫が船長キル夫に探知システムが使えないからもう少し近づけないか、と尋ねるがキル夫はこれ以上近づけば嵐に巻き込まれるという。
しかし、キル夫は探知システムなんて必要ないでしょ、と続けた。
それもそのハズ、探査船の上から遠めに見ても分かるように「彩華島の周辺だけが嵐になっている」。これはどう考えても自然な天候としては異常だ。
それでもやらない夫は可能な限り正確なデータを求めなければならなかった。それが異常存在を人類に対して隠し通している彼ら…「議会」の仕事なのだ。
島の住人、議会の職員、そして研究者たち…様々な人間たちの思惑が交差する中、彩華島の異変が嵐と共に始まろうとしていた…

主人公は一応やる夫だが、視点が議会職員のやらない夫、議会研究員のスカリエッティ(リリカルなのは)、暴走族の頭のジャギなどコロコロ変化するため、群像劇に近いものがある。
最初は新型インフルエンザの検査、として住民たちに検査を行っていくがこの時点で僅かながら超能力に目覚め始めている者達もいる。
ある人物は能力を隠しながらこれからのこの島での優位な立ち位置を築こうとし、またある者は目覚めた超能力を活かして支配に乗り出す。
まだ、やる夫が所属しているのは彩華第二高等学校。つまり第一高等学校もあるわけで、表向き嵐で島に物資が搬入されない…正確には財団の方で実験のために供給を断っているからか、物資がどんどん少なくなっていく島の中で超能力を用いた学校同士の抗争にも発展していく…
長さ的には中長編ぐらいで1本のサスペンス映画を見ているような気分になる。
ちなみに元ネタのSCP財団と本作で登場する「議会」は似て非なるもの。財団の理念は「確保・収容・保護」だが議会の理念は「探索・隠蔽・追求」なので財団と違って保護は入っていない。

それがどういうことかって?財団よりも容赦がないってことさ。

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