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オリジナル ハーメルン

あなたの能力は時間停止です

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使うとは言ってない(挨拶

ハーメルンで連載中のオリジナルファンタジー小説で、集団転移+チート系の作品なのだが、この主人公全然チートスキルを使わないのである。

「あなたの能力は時間停止です」
妙に質感の良い紙にゴシック体で書かれた文字には、現実感のない言葉が書かれていた。でも、この現状に比べたら幾分か現実感があった。
事の始まりは、帰りのホームルームだった。担任の先生が長々と連絡事項を話していた。たぶん、今週末から始まる連休についての話だったと思う。
休日には許可がないと入校できないとか、連休中も勉強しないと来年困るだとか、休み明けにテストをするとか。そんな感じのことを喋っていたと思う。
クラスメイトたちは帰りの支度をしながら流し聞きをしていた。僕もバイトへ直行するか、一度家に変えるかを考えていたところだった。
突然目の前が光で覆われた。とても眩しい。白く、青く、赤く、黒く。
そして、座っていたはずなのに、いつの間にか立っていた。いや、落ちていた。浮遊感と酩酊感をいくらかの時間過ごした。
体感では数分。もしかしたらもっと長かったのかもしれない。
僕らは真っ白い空間に佇んでいた。空も、壁も、地平線もない真っ白い空間だった。多くの人はあまりにも現実感のない光景に、唖然としていた。周りには教室にある机と机くらいの感覚で、クラスメイトや西村先生がいて、そしてそのさらに外側にも無数の人がいた。近くの生徒に話しかけようとしたけど、声が出なかった。
周りの人達も、皆同じ用に声が出ないようで、身振り手振りでほかの人とコミュニケーションを取ろうとしている。
前方上部に巨大なスクリーンが投影されていて、そこに映されたきれいな女の人がしゃべっているようだった。WDTのせいですっかり前半?を聞き逃してしまった。
「――では、あなた方には3つの特典を授けます。1つ目はユニークスキル。強力なスキルを活かして、この異世界で立ち回るとよいでしょう。
2つ目は仲間。あなた方はそれぞれ近しい属性をまとめて同じ場所へ召喚します。信頼できる仲間と共に苦難を乗り切ると良でしょう。最後に、特別に1時間だけ考えを整理する時間も授けます。頑張ってください」
ふと、手元に違和感があった。手のひらを見ると、手帳サイズの紙切れがいつの間にか折りたたまれてあって、そこにはふざけた内容が書かれていた。
「あなたはこれから異世界へ転移します。転移者は、他の転移者のユニークスキルを当てることで、願いを叶える石をもらえます。ユニークスキルを当てられてしまった者は、すべてのスキルを失います。願いを叶える石を使って、何を叶えるかは自由です。地球に帰るのも、億万長者になるのも、王様になるのも、あなたの自由です。この世界に祝福を。あなたの能力は時間停止です 」

普通の集団転移系かと思ったら突然PvP要素ぶち込んでくるじゃん…
この後、アナウンス通りに何人かのクラスメイト達と同じ場所に転移することになるが、集団で行動することを主人公が拒否し、そこから主人公の一人旅が始まる。
こういったタイプの作品では「チート能力を研究&活用して~」とか「現代の知識を活かして~」という展開がスタンダードだが、この主人公、全然ユニークスキルを使わないのである。
じゃあチート能力持ってるけどスローライフ送って全然戦闘しないタイプ?というわけでもなく、ひょんなことからとある国家の暗部に捕まって戦闘奴隷みたいなことになるのでバリバリ戦闘もするが、そこでも転移先の世界で覚えた魔法を主に使い、時間停止の出番はほとんどない。
主人公が性格的に慎重なのか、バレた時のデメリットが大きすぎるからか。
現地人に対しては特にデメリットがないので強力無比なスキルではあるんだが、問題は主人公以外にも転移者が多く、誰がどこで見ているか分からない点。
時間停止はパッと見で何をやっているのか分かりにくいタイプの能力なんだけど、マンガやゲームでは強力な能力の代名詞的に使われるので、サブカルチャーに詳しいヤツに見られると看破されかねないという懸念が付きまとう。

お気楽ファンタジーってわけじゃない、そこそこダークな雰囲気漂う作品。

ハーメルン あなたの能力は時間停止です

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