あなたは、覚えていますか？(挨拶
非安価系やる夫スレ作品で、幽霊とロボットという一見相反するような2つの存在をテーマにしたSFもの。
主人公ポジションにいるのは幽霊・雪華綺晶(ローゼンメイデン)。完結済みの作品。
ここは、外の世界とは繋がりのない絶海の孤島。
私、雪華綺晶はさながら狭い籠の中に閉じ込められている一羽の駒鳥。
ふと聞こえてきた鳴き声を耳にしてそちらを振り向けば、大空を舞っていた鳥が一羽、羽ばたき疲れたのかこちらに向かって飛んできていた。
それを見て私は手を伸ばし―鳥は私の手を通り抜けて再び空へと舞い上がっていった。
そう、私は幽霊なのだ。
いつからここに居たのか、どうしてここに居るのか。
それは分からない、分かっているのは自分がこの世の存在ではないという事実と雪華綺晶という名前だけ。
私の声はこの世の何処にも届かないし、私の姿は誰の目にも映らない。
寂しくなんて、ない。誰に言い訳するでもなくそう呟いた。このまま歌を歌って何も変わることなく何十年、何百年と過ごしていこう…
それはずっと変わらないものだし、希望に望みを託すことなんて諦めていた。
でも、その日背後から聞こえた声に私は耳を疑った。「コエノイチハココカラ…」
この場所には、幽霊である私以外誰もいないはず。
振り返るとそこには、なんとも形容しがたい生き物が、風に揺られるようにして立っていた…
タイトルにある通り彼…やる夫は生き物ではない。
オープニングは幽霊である雪華綺晶の独白から始まったがそのまま第一話で場面はこの孤島に一人だけいる「生存者」・桜田ジュン博士(ローゼンメイデン)の研究所へと移る。
やる夫…もといY-R-Oは桜田博士が開発したロボットで、博士は明確な目的をもってやる夫を開発したようだが…？
そして何故かやる夫には幽霊である雪華綺晶が見え、声を聞くこともできる。
やる夫に搭載されているセンサーでは生体反応・音波・振動等何も検知できていないにも関わらずやる夫は雪華綺晶を認識できるという矛盾。
雪華綺晶とやる夫の関係は？何故桜田博士はやる夫を作ったのか？そもそもこの世界に何が起こったのか？
それはこの作品を読み進めてけば明らかになる。
中編ほどの長さの作品。思えば雪華綺晶をAAスレで強く認識したのはこの作品が初めてかも？