(システムが)ちがああああう!(挨拶
ハーメルンで連載中の、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかとドラゴンクエストのクロスオーバー小説。主人公はベルの双子の弟のオリ主。ドラクエ主人公のお約束を踏襲していてセリフが無い。
「ヴヴォオオオオオオオオオオオオ!」
ダンジョンの5階層に響き渡る獣染みた雄叫び。
ベル・クラネルは双子の弟のアルス・クラネルを肩に抱えながら必死に逃げていた。
どうしてミノタウロスが5階層にいるのか。本来ならば15層以下に出現するのが一般的なモンスターだ。
新人のステイタスで勝てるモンスターではない。実際、アルスは一撃で防御した片手剣を粉砕され、頭部を微かに掠めただけで瀕死になっていた。
「ブゥムゥン!!」
急に聞こえたミノタウロスの声にベルが後ろを見ると、ミノタウロスが突進態勢を取っているのが見えた。
―ミノタウロスは ツノを構えた突撃を しかけてきた!
「いっ!?」
―ベルは すばやく みをかわした!
奇跡的に回避に成功するも突進の風圧と衝撃で抱えていたアルス諸共に吹き飛ばされた。
ベルがアルスだけでも守る、と覚悟を決めたその時…
―アイズの こうげき!
―ミノタウロスに ダメージ!
―アイズの こうげき!
―ミノタウロスに ダメージ!
―ミノタウロスを たおした!
―アルスは 1321ポイントの経験値を かくとく!
「―後ろの人は、大丈夫ですか?」
ミノタウロスを瞬殺した少女が差し伸べた手を見て、ベルは吹き荒れる感情に振り回されて逃げ去った。
目を見開いて立ち尽くす少女。その後ろで震えながら腹を抱えて必死に笑いを堪えている獣人の姿を見たのを最後に、実は意識があったアルスが覚えていたのはここまでだった。
本作はドラゴンクエスト11の設定をダンまちに適用していて、オラリオのダンジョン内で出てくるモンスターは基本的にドラゴンクエスト11のモンスターが出現するようになっている。
しかしプロローグでミノタウロスが登場しているように、ストーリーラインはダンまちを追っているので物語の根本に関わるようなモンスターはダンまち原作のままだと思われる。
さて、ダンまちと言えばベルたち冒険者がレベルアップして強くなるシステムがあるが、主人公のレベルアップシステムはドラクエ準拠となっている。
例えば主人公はミノタウロスを倒した時に1321の経験値を得ているが、ヘスティアにステイタスを更新してもらった時にこの経験値でレベル9まで上がっている。
…え?レベル9?オッタルですらレベル7だよ?と普通に考えればヤバいのだが、主人公のステイタス欄がダンまちのものからドラクエ表記に変化しており、Lv.1の隣に(レベル9)と書いてある。どうやらドラクエのレベルとダンまちのLvは別カウントらしい。
また、最初にも言ったがこの主人公、ドラクエの歴代主人公よろしく全くセリフを話さない。ベルやヘスティア達回りの登場人物との会話から話すこと自体はしているのが読み取れる。
更にドラクエの主人公らしく家探し…タンスや机を漁ってレシピを覚えたりする。それは勇者だから許されることであってただの冒険者には許されてないと思うんですけど…
ベルも同じようにドラクエ式レベルアップに。例のファンファーレは…?